飲食店に関する記事やテレビ番組で、「マリアージュ」という言葉を聞いたことがあると思います。このコラムでは「マリアージュ」の意味や、料理の種類に合わせたワインの選び方を徹底解説します。フレンチを食べに行く前にこの記事を読んでおくと、美味しい料理をさらに楽しめます。
1.そもそも「マリアージュ」とは？
「マリアージュ」というのは、「結婚」を意味するフランス語ですが、食べ物と飲み物の組み合わせの素晴らしさを表すときにもよく使われる言葉です。
フランスで食べ物と飲み物の組み合わせといえば、やはりフランス料理とワインでしょう。料理の味とワインの組み合わせがしっかりと合ったとき、その相性の良さを称賛するときに、結婚を意味するマリアージュという言葉は非常にしっくりくるものです。
ただ、一口に相性といっても、ワインにも色、渋み、辛み、コクなどのさまざまな要素があります。以前は「魚料理には白ワイン、肉料理には赤ワイン」とかなりざっくりした使い分けがされていました。しかし、肉でも魚でも調理方法によって味わいは大きく変わりますから、最近は料理ごとに合うワイン選びが普通です。
2.マリアージュが生まれる要素
2-1.味つけによる相性
例えば、濃厚な料理には濃い味で重めのワインが選ばれます。特にステーキやハンバーグなどの牛肉の旨味を味わいたい場合は、赤ワインのタンニンという成分が油分を包み込んで、必要以上にしつこくならないようにしてくれます。
また、肉でも鶏を使ったあっさりした味であれば、どっしりした赤ワインではバランスがよいとはいえません。そんなときにはさわやかさを持つ白ワインがおすすめです。
素材だけでなく味付けで選ぶとすれば、ステーキソースや醤油、オイスターソースなどのこってりあるいはしっかりした味付けなら赤ワイン、クリームソースやレモンソースなどさっぱりした味付けなら白ワインから選んでみましょう。
2-2.産地による相性
それぞれの地域には、その土地で取れる作物や気候をベースに、長い年月をかけて作られてきた味の組み合わせがあります。
フレンチにはフランス産のワイン、というと大まかになりますが、例えばフランス東部のブルゴーニュにはエスカルゴを使った料理や牛肉を赤ワインで煮込んだ料理があり、「ブルギニョン」という地域名が付いているものも多数存在します。そして美味しい料理で有名なブルゴーニュには、シャブリやボジョレーといった著名なワインがありますから、それを合わせるのもおすすめです。
2-3.色による相性
料理の色とワインの色も相性があります。肉、魚という分け方ではなく、調理後に白っぽい素材と赤っぽい素材がありますから、それに合わせるのも分かりやすい判断基準です。牛や羊など赤身が多い肉には赤ワイン、白身魚や鶏肉、豚肉であれば白ワインと考えれば分かりやすいでしょう。また、生ハム、サーモン、えびなどの中間色の料理なら、ロゼワインと相性が良いものが多いです。
3.ワインを中心に考えたマリアージュ
3-1.赤ワイン
赤ワインには、渋みやコクがしっかりしていて味や香りが濃厚な「フルボディ」と、酸味とコクのバランスが良い「ライトボディ」があります。フルボディならボリューム感があって脂っぽい料理が合いますし、ライトボディなら肉料理でも比較的さっぱりしたものか、魚介類としては濃い目の味付けがされた料理との相性が良いでしょう。
3-2.白ワイン
白ワインは「甘口」や「辛口」という基準で分けられます。辛口の白ワインには鶏肉を使った料理や、魚介・甲殻類などが合います。中間的な味わいの白ワインなら、脂身のある魚介や鶏肉、軽めの肉料理や和食にも合います。甘口の白ワインであれば、オードブルなどと一緒にいただくとマリアージュが味わえます。
3-3.ロゼワイン
ロゼワインも白ワインと同じように、「甘口」や「辛口」でマリアージュの基準を選びます。辛口でもスッキリしたものであれば和食や中華などに幅広く合わせられますし、甘口の物はフルーティな味わいを生かしてオードブルなどとの相性が良好です。
4.まとめ
ワインと料理とのマリアージュについてまとめてきました。食材の素材や色、産地などを考えていろいろなワインを試してみるのもフレンチを食べる楽しみの一つです。
南青山のフレンチバル「ル シェーヌ」では豊富な種類のワインを取り扱っており、グラスでの提供も行っています。そのため前菜とメインで違うワインを選んでいただき、料理ごとのマリアージュを楽しめます。
ワインの銘柄をご存じなくても、酸味やコクなどお客さまのお好みを申し付けていただければ、スタッフがそれに合わせたワインをお持ちいたします。また、お客さまが注文された料理に合うワイン、という形でオーダーいただければ当店なりのマリアージュを演出させていただきます。
当店はフレンチを提供しておりますが、気さくにご利用いただける雰囲気を大切にしています。ぜひお気軽にお越しください。
